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「さくら」通信

苫小牧市議会議員桜井忠のブログ

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臨時議会

10月28日、夜10時30分まで臨時議会が行われた。一応その時の原稿をアップします。
臨時議会質問原稿
 会派市民を代表して質問いたしますが、この際我が会派の考え方を申し述べたうえで質問いたしますので、質問は一括でお願いいたします。
 当初市長は苫小牧市民をギャンブル依存症から守る手法としてパスポートを提示して自国民は入れないようにしている国もある、これからの人口減少社会に質の高い雇用を維持するため苫小牧に導入するとしていました。私たちはその段階では決してIRに反対していませんでした。しかし、国の議論の中で、特にギャンブル依存症対策として入場料6,000円と入場回数の制限をするとし、日本国民が自由に入れるカジノを含んだIRとなってしまいました。それ以来我が会派はギャンブルが身近にあり一定のお金を払えば自由に出入りできるIRに反対を唱えてきました。
 その間、北海道知事も高橋はるみ知事から鈴木直道知事になり、他の都市も立候補するところも各所あり、いよいよ時期が煮詰まってまいりました。わたしは鈴木知事の政治的背景を考えるとき、とくに厳しい知事選挙を中心となって支えてきた者の顔ぶれを見るとき、それは自民党の有力国会議員や道議会議員のほとんどがカジノ推進派ですから、どうあってもGOサインを出さざるを得ないのではないか。しかも12月の当初予算策定にその費用を計上するためには11月中にもGOサインを出すものと想像をいたしました。
 苫小牧市に目を向けると、以上述べたような事情を背景に、推進しようとしている市長は、ことここに至ってはギリギリの選択として反対派を切り捨てて、推進派をまとめて進むしかないという状況だと思います。
 そこで私共は9月議会も終わった段階で以上の想定を元に我々が取るべき態度を熟慮しましたが、12月議会では先に述べた理由によりこの議論は既に遅すぎる。公式の議会の場で市長に確認するのは決算委員会しかないと考え、私は市長に私たちの願いが通るなら「積極的賛成とはならないが反対の旗を下ろしてもいい」として、施設近くに住む者、それは苫小牧市民ですが、入場制限を市長に求めました。それに対して市長は「北海道がIR誘致を表明した際には、北海道と協議の上、具体的な対策について検討を深めていく」とのことなので、私はその答えを了解したのであります。
しかし、今回の議会では市長が提案した議案ももちろんのこと、議員側からも決議案が提案されることとなりました。そうなると以前のように中立を守って推進を求める要望書に名前を記入しなかった、などという態度は取れません。推進派になるのか、反対の旗を下ろすと言いましたので反対に回ることは忸怩たる思いはありますが、反対をせざるを得ないのか。どうしても態度を鮮明にできない場合は欠席を含めて判断しなければならない。そのような思いを持って質問をいたしますのでしっかりとした答弁をお願いいたします。
 私が反対する理由は、まず第1に市長が当初言っていた質の高い雇用のためという理由は、私は多くの従業員は千歳市に住むのではないかと思います。しかし、それで私はいいと思っています。憲法で保障されているように住居はどこに定めてもいい、個人の自由ということになっていますので千歳市でも、あるいは安平町でもいいわけです。ただ私の言いたいことは市民にきちんとした情報を提供するべきであるということです。
 第2にはカジノが地方競馬の破綻を誘発し、軽種馬産業の衰退を招き、JRの廃線問題と相まって日高の衰退を招くというものです。私はこの想定は今でも間違っていないと思っています。しかし私たちは苫小牧市議会議員ですので、日高の発展や衰徴は主には日高の議会での議論を待ちたいと思います。
 第3は市民の声を聞き、判断に反映させるということですが、これも先の決算委員会で市民の声を聞くためにグループインタビューでアンケートを行うということですが、その結果は議会に逐一報告すべきであります。
 第4がIR近くに住む者は、入場料をとろうが回数制限をしようが入場することができれば、依存症が必ず出ます。市長が日本のモデルだとするシンガポールでも私がよく知る企業の現地法人の中国系シンガポール人の社長がすっかりカジノに嵌って、社長も退任し、退職金や株の売却金をすべてカジノに支払い一文無しになってしまったという事例があります。しかし、これがもし会社のお金に手をつけ、不渡りでも出そうものなら、カジノに行った人だけでなく、その会社の従業員にも大きな被害が出ます。この事例はその一歩手前で食い止めることができましたが。ですから北海道の人はおもてなし側に回り、日常生活の中にカジノを入れない。行きたい人は旅行で東京や大阪に行った時にカジノに行く、非日常ならば反対はしません。私はこのことは決算委員会での質疑で市長が私たちと同じ考えに立ってくれたと考えます。
 そこで具体的に申し上げますが、条例をつくって北海道の人が入れなくするのか、マイナンバーで北海道の人は弾かれるようにするのか、北海道を特区として実施するのか、または例えば年収1000万円以上などと収入制限をかけるのか、やり方は色々考えられると思います。これは苫小牧市だけでできるものではありませんから、しっかりと北海道と話し合っていただきたいが、その結果は議会の我々にも報告すべきでありますが、市長いかがでしょうか。
 また、そもそもIRの利用者は北海道からが大きな割合を占めております。以前IR=カジノではないという議論を聞きましたが、例えそうであったとしても、然らばカジノ入場者数のうち道内をどのくらいと見込んでいるのか。その道内の入場者がなくなるということは、その分収入が失くなるわけですが、現在苫小牧進出を考えているカジノ事業者はそれでやっていけるのか、いかがでしょうか。
 最後に、今回の問題を弁証法的に言うならば、まずIR推進という、これを進めれば雇用や、税金など苫小牧市の発展が見込めるという命題(テーゼ)があります。しかしIRに不可分なカジノは家庭破壊や経済疲弊を生み絶対に反対という否定的な命題(アンチテーゼ)が生まれます。そこで私たちはこの問題を解決する、命題(テーゼ)も否定的な命題(アンチテーゼ)も解決する多角的な総合案(ジンテーゼ)として、雇用や税金は苫小牧にメリットがあり、北海道民が入れないことはカジノによる家庭破壊も抑えられる、カジノのプレーヤーにはならないという考え方を提示しました。もしこれがなされるなら、多くのカジノ反対者にも理解いただけるのではないかと思うだけでなく、最終的には鈴木知事も法で決めた国の枠組みだけでなく、北海道として独自にこれだけの規制をかけたのだからという、道民への説明材料になる、今まさにそのことを知事は模索しているのではないかとも考えますが、市理事者のご見解を求めます。
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プロフィール

HN:
桜井忠
年齢:
70
性別:
男性
誕生日:
1954/02/03
職業:
苫小牧市議会議員
趣味:
書道
自己紹介:
大東文化大学経済学部卒
職歴 苫小牧市議(4期)、前苫小牧市長、元代議士秘書
室蘭市出身

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