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「さくら」通信

苫小牧市議会議員桜井忠のブログ

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落陽ー3

落陽−1では、「襟裳岬」で岡本おさみさんが町民から嫌がられる「えりもの春は何もない春です」という歌詞を書いたこと。落陽−2では苫小牧サンバであってはならない青少年の非行を助長する内容なことを書きました。落陽−3でいよいよ本題です。
 襟裳岬を訪れて構想を練ったあと岡本さんは苫小牧に寄って「じいさん」と出会います。駅に降りた岡本おさみさんは駅前通りを歩いて一軒の間口の狭い本屋に入ります。その本屋はどこでしょうか。初田会長は駅前にあった君島書店ではないかと言います。政治評論を立ち読みする「じいさん」に興味を持って後を付けて行く。公園に出てそこのベンチに腰を下ろす。その公園は王子のアカシア公園でないかと言います。
 しかし私の推理は違います。まず、君島書店は結構大きな本屋さんですから、間口の狭い書店は表町2丁目にあった新生堂でないかと思います。そこを出た「じいさん」が腰を下ろしたのは出雲公園か表町公園。その後行ったちんちろりんの賭場への小路を考えると、出雲公園だと思います。そこで岡本さんもベンチに腰を下ろして「じいさん」に声をかけます。もともと物書きで政治評論を立ち読みをしていること、しかし今は身を持ち崩してちんちろりん通いの日々なこと。ちんちろりんに興味を示すと、決して掛けたら駄目だよと念を押して小路を抜けて2階建ての建物の中に入って行きちんちろりんを見せてくれる。だとしたなら出雲公園へ行く親不孝通りは、苫小牧の人にとっては小路なのだが、東京人の岡本おさみさんにとってはただの道路だろう、きっと小路というのは出雲神社の裏手にある道のことではないだろうか。それを右か左かは分らないけれど通ってちんちろりんをしていた家に出たのだろう。私はそう思います。
 「じいさん」は別れにポケットからサイコロを2個渡します。3個渡せばちんちろりんをしてしまう、そうなると自分のような人生を送ってしまうから、博打はするなと2個のサイコロ。フェリーに乗込み甲板に出てみると、見送りの人のはじっこに「じいさん」が来ている。誰かの投げたテープを拾ってもう一度投げてみる、大きく弧を描いたテープだったが船の腹にあたって落ちてしまった。そんなじいさんを思いながらいつかもう一度合いたいと願う空に、恵山岬の彼方へ夕日が落ちて行く。
 誰かに頼まれて名所をちりばめた歌ではなく、誰も声など掛けないような「じいさん」との出会いが「落陽」に歌われている。襟裳岬のような他所者の眼で見た、岡本おさみの感性の歌。それが「落陽」なんだと思う。襟裳岬は森進一の代表曲になり、落陽は拓郎の代表曲となった。そこにはお金で書いたものではない迫力があり、瑞々しい感性がある。きれいな言葉もなく、着飾った表現もない。けれども、そこに生きる人の暮らしがある、荒々しい生きる力がある。
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プロフィール

HN:
桜井忠
年齢:
71
性別:
男性
誕生日:
1954/02/03
職業:
苫小牧市議会議員
趣味:
書道
自己紹介:
大東文化大学経済学部卒
職歴 苫小牧市議(4期)、前苫小牧市長、元代議士秘書
室蘭市出身

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